明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 胎盤
胎盤ホルモン—その産生と分泌調節のメカニズム
足髙 善彦
1
Yoshihiko Ashitaka
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.845-852
発行日 1984年11月10日
Published Date 1984/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207081
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胎盤絨毛は合胞細胞(syncytiotrophoblast, S細胞),ラングハンス細胞(cytotrophoblast, C細胞)と間質細胞から成る。単純な組織構築をしめすが,各種のペプチドホルモン,ステロイドホルモン,さらには諸酵素,放出因子(releasing hormone, RH)や,特異蛋白などを産生,放出するなど,その生物機能はきわめて複雑である。胎盤を接点として胎児・胎盤・母体というシステムが造りだす数々の生物学的な現象は,今日といえども解析困難な点が多い。
胎盤ホルモンの生理的意義については概に本誌に発表1)しているので,ここでは胎盤ホルモンの中でも比較的研究の進んでいるhCG, hPLの生合成メカニズムと,これらの蛋白ホルモンとステロイドホルモンの分泌調節機構について,最近の知見をまとめてみたい。
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