産婦人科医療--明日への展開 病態生理の新しい理解
Ⅰ.婦人科篇
多嚢胞卵巣(PCO)—とくに白膜の肥厚機序について
平川 舜
1
,
金子 慶賛
1
,
小島 栄吉
1
,
椎名 一雄
1
Shun Hirakawa
1
1東邦大学医学部第一産婦人科学教室
pp.801-806
発行日 1983年11月10日
Published Date 1983/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206899
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PCOの病態生理を新しい観点から理解する中で,PCOの特徴とされる肥厚した白膜の本態とその肥厚機序を知ることは,本症候における無排卵の原因を明確にする上からもきわめて重要な課題である。
白膜肥厚の背景では,本症候の内分泌学的特徴であるLHの持続的過剰分泌の刺激を受け,卵巣の間質,閉鎖卵胞の内莢膜細胞層で過剰に産生分泌されるアンドロゲンが重要な意味をもつ。今回は,PCOにおける卵巣性アンドロゲンの過剰産生の内分泌学的背景と結合組織学的にアンドロゲンが白膜組織におよぼす影響について解説する。
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