特集 図でみる病態産婦人科学--適正治療のために
生殖・内分泌
多嚢胞卵巣症候群
平川 舜
1
,
小島 栄吉
1
,
椎名 一雄
1
,
油田 啓一
1
,
武井 成夫
1
Shun Hirakawa
1
1東邦大学医学部第一産婦人科学教室
pp.369-378
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207182
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多嚢胞卵巣症候群(PCOS)の病態生理のうち内分泌学的特徴は,中枢からのLHの過剰分泌と卵巣でのアンドロゲン(Aと略)過剰産生・分泌,エストロゲン(Eと略)産生異常に代表される。しかし,本邦婦人に分布するPCOSは,A過剰産生・分泌に起因する男性化徴候を伴わないのが特徴といわれ,多彩な臨床像をもつPCOSを一層複雑にしている。
今回は,PCOSの概念と定義をできるだけ明確にし,病態生理からみた診断基準と,それに基づく診断の手順を提示する。また,最近の本症に対する治療法の主体はクロミフェン,グルココルチコイド,ゴナドトロピン(Gと略)などによる薬物療法に変わりつつあり,外科療法である楔状切除術(楔切術と略)の適応は次第に限定される傾向にある。
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