FIGO TOPICS 私が感銘を受けた講演
胎児・胎盤系のホルモン/産婦人科臨床における遺伝学
佐竹 実
1
1札幌医科大学産婦人科学
pp.876
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206132
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■Placental Hormones and their Role in Fetal Growth including Fetoplacental Unit
第9回FIGOは各国の第一線の学者を集め,最新の多数演題発表があり,今後の産科婦人科学の歩むべき方向を示唆したものとみることができる。今回,主として特別講演,セミナーを勉強する機会をえたので,うち1題について感想をのべてみたい。
座長のKlopper教授,荒井教授は内分泌学を専攻する研究者にとってはよく知られており,わかり易い英語と堂々とした司会は賞讃に価した。演者のDiczfalusy教授は胎児・胎盤系の概説ならびに妊娠時のステロイド生合成・代謝について解説したが,過去の業績は現在も十分生かされていることを強調しておられた。矢内原助教授は中山教授門下で胎児・胎盤系に関与する多数のステロイドを測定し,妊娠中の病態生理を追求している学者であることは有名である。胎児・胎盤系で生成されるステロイドは多岐にわたり,複雑化しているが,各種のステロイドが影響を及ぼし合いながら,estrogen生成に関与しているようである。彼は,E3値のみもしくは単独ステロイド測定による診断には限度があることを示した。
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