特集 胎盤
その基礎と臨床
胎盤のホルモン代謝
東條 伸平
1
Shimpei Tojo
1
1京都大学医学部産婦人科教室
pp.967-975
発行日 1966年12月10日
Published Date 1966/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203603
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はじめに
内分泌臓器としての胎盤の意義は妊娠に関係するあらゆる生命現象と直結して重視され,Philipp(1932)1)がこれをホルモン産生臓器とみなして以来この分野では実に枚挙にいとまのない程多くの研究が行なわれ内分泌の特殊性もしだいに判明しつつある。
ところで,従来よりの研究では胎盤の分泌するホルモンが母体にどのような作用を及ぼすか,母体側からみた妊娠維持の機構にどのような役割りをもつかということに主力がそそがれ,各ホルモンのいわゆる標的臓器の変化や,尿,血液中のホルモンの動態からその作用を類推するといつた方法がとられてきた。
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