実地臨床手技のエッセンス 妊娠に合併する難症のとり扱い--他科よりのアドバイス
妊娠と内分泌異常
長滝 重信
1
,
水野 正彦
2
,
杉本 充弘
2
Shigenobu Nagataki
1
,
Masahiko Mizuno
2
,
Mitsuhiro Sugimoto
2
1東京大学医学部第三内科学教室
2東京大学医学部産婦人科学教室
pp.837-841
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206123
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妊娠に合併する内分泌異常の対象となる患者は第一に妊娠することが必須の条件である。そして重症の内分泌異常があれば妊娠することは極めてまれであり,妊娠したということだけで内分泌異常の範囲は極めて限定されたものとなる。妊娠に合併する内分泌異常は,異常の発現時期からは妊娠可能な程度の内分泌異常が妊娠前から存在していた場合,妊娠によって悪化した場合,妊娠中に突然発症してくる場合などがあり,疾患としては,甲状腺疾患,副甲状腺疾患,間脳下垂体疾患,副腎疾患などがある。このようなすべての組み合わせについて述べることは,紙数の関係で不可能であるため本稿では表1に妊娠に合併する可能性のある内分泌異常を示すにとどめ,頻度の高い甲状腺疾患を中心にして,妊娠に合併する内分泌異常のとり扱いについて,内科の立場から述べることにする。糖尿病については別の章でとり扱われる予定である。
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