臨床医のプライマリ・ケア 女性のバイオロジー
性の分化と成熟への過程にみる異常
水野 正彦
1
Masahiko Mizuno
1
1東京大学医学部産婦人科学教室
pp.189-194
発行日 1982年3月10日
Published Date 1982/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206580
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性形態が,男性と女性とでは著しく異なることは,いうまでもない。すなわち,男性の特徴は,精巣,精巣上体,精管,精嚢,前立腺,陰茎,陰嚢などが存在することであり,また女性の特徴は,卵巣,卵管,子宮,腟,陰核,陰唇などが存在することである。そこで,このような性形態ができあがっていく過程が性分化と呼ばれる現象で,個体発生の初期にみられ,ヒトでは主として妊娠2,3ケ月の胎児においてみられる現象である。そして,出生時には性分化は完成しており,通常は新生児の外陰部の形態によって性別を明瞭に識別することができるわけである。
さて,性分化は,①性染色体→②性腺→③内・外性器の順で,前者が後者に影響を与えながら進行していくといわれる。
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