指標
子宮頸部腺癌の再検討
蔵本 博行
1
,
上坊 敏子
1
,
森沢 孝行
1
,
加藤 良樹
1
Hiroyuki Kuramoto
1
1北里大学医学部産婦人科教室
pp.5-12
発行日 1979年1月10日
Published Date 1979/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205970
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子宮頸癌のうち腺癌の占める頻度は決して多くなく,従って頸癌に対する研究は,従来から通常,扁平上皮癌についてなされて来ている現状である。しかし,最近,頸部腺癌の発生頻度が増加しているとの報告が見られるなど,腺癌に注目すべき時節ではないかと考えられる。また頸部腺癌の発生に経口避妊薬が関与しているとする者がいたり,腺癌特殊型としてadenoma malignumや腺癌に類似するmicroglandular hyperplasiaの存在が指摘されるなど,形態学的にも腺癌を再評価すべき状況となっている。さらに放射線療法の価値についても従来からの懸案である。
一方,原発癌ばかりでなく,転移性頸部腺癌についても心に止めておく必要があろう。当院では昭和46年7月の開院から同52年末までに23例の頸部腺癌を経験したが,うち6例は転移性のものであった(表1)。
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