カラーグラフ 産婦人科領域におけるレーザー療法・2
子宮頸部の初期癌に対する円錐切除法
蔵本 博行
1
,
脇田 邦夫
1
,
泉 貴文
1
Hiroyuki Kuramoto
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.892-893
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900501
- 有料閲覧
- 文献概要
子宮頸部の異形成や上皮内癌に対するレーザー蒸散法は,妊孕性を温存する優れた保存療法として前回紹介したとおりである.本法を用いるに当たっては,正確な診断が必要であり,いわゆる上皮内の腫瘍に限って適応となることを強調しておきたい.しかし,診療の実際において,正確な診断に苦慮し浸潤を完全に否定することが困難な症例に出くわすことも稀ではない.このような場合,従来からメスによって行われていた円錐切除術と同様に確定診断を下すことができ,しかもメスによる煩雑さが伴わない方法があれば有難いところである.レーザー円錐切除法はこのような期待に応えるものである.われわれは蒸散法と同様に,この円切法を局所麻酔のうえ外来で行っているので紹介したい.
微小浸潤癌は,現在縮小手術によって治療されることが定着しているが,さらに一歩進めレーザーで円錐切除し組織病理学的に完全に摘除されていることが確認されれば,追加治療を行わずこれで根治的療法とする傾向にある.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.