特集 婦人科癌発症のNatural history
子宮体癌
蔵本 博行
1
,
上坊 敏子
1
,
秦 宏樹
1
,
大河原 聡
1
Hiroyuki Kuramoto
1
1北里大学医学部産婦人科学教室
pp.209-213
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904831
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最近,アメリカでは婦人科癌のうち,子宮体癌がその発生頻度で第1位を占めるに至っている。本邦では,まだこれ程ではないにしろ,増加傾向にあることは明らかであろう。そのため,子宮体癌検診1)の普及がわが領域での重要な目標のひとつとなっているのもうなずける。しかし,頸癌検診の場合のように,体癌検診によって早期体癌ばかりでなく,前癌病変も効率よく発見できるのであろうか。残念ながら,yesとする解答が得られていないのが現状ではなかろうか。
そのためには,子宮体癌がどのような過程を経て癌化していくのか,つまり体癌のnatural history(自然史)の解明が是非とも必要となるであろう。そこで,これに関する最近の知見を,われわれの成績も含めて述べることとしたい。なお,体癌自然史の解明はまだまだ端緒に着いたばかりであり,今後の詳細な仕事が必要なことも指摘しておきたい。
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