病気のはなし
子宮頸部腺癌
加来 恒壽
1
,
渡辺 寿美子
1
,
末次 美子
1
1九州大学大学院医学研究院保健学部門
pp.982-987
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103329
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サマリー
子宮頸部腺癌は増加の傾向にあり,子宮頸癌の15~20%を占める.組織像が多彩でWHO分類では粘液性腺癌(内頸部型,腸型,悪性腺腫,絨毛腺管状乳頭腺癌),類内膜腺癌などがある.初期病変は特有のコルポスコピー所見を示さないことが多く,病変の拡がりや浸潤の深さを正確に評価することが困難であり,診断のために積極的に子宮頸部円錐切除術が行われることが多い.初期病変で深さ3mm以下の症例では再発は稀である.浸潤腺癌は,扁平上皮癌に比べてリンパ節転移率が高く,放射線療法や化学療法に対する感受性が低く,予後は不良である.治療法は扁平上皮癌に準じるが,早期の腺癌に対しては手術療法が放射線療法よりも有効とされる.
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