放射線細胞診
Ⅲ 子宮頸癌の放射線治療と細胞診
杉下 匡
1
Tadashi Sugishita
1
1佐々木研究所附属杏雲堂病院婦人科
pp.688-689
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205897
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前回のⅡ章までは子宮頸癌放射線治療途上の細胞診の所見で,核所見のうち,核腫大,核周囲のhalo形成,2核形成,核破砕などと奇形細胞,巨細胞の出現について述べた。これらのほかに,核所見のうち,核小体については石井らの研究があり,少なくとも500rad*(次頁脚注参照)から2,000radまでは,組織細胞のうえで明らかに増数と腫大傾向を認めるという(図1)。
一般に大部分の細胞の核は200radから500radくらいの比較的低い線量で影響を受けるといわれているが,細胞質の方は核の致死線量よりもかなり高い線量でも,なかなか影響を受けにくいといわれている。
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