Japanese
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特集 細胞診
子宮頸癌の細胞診
Cytologic diagnosis of cancer of the uterine cervix
水野 潤二
1
Junji Mizuno
1
1関西医科大学
pp.363-372
発行日 1965年5月10日
Published Date 1965/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203270
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はじめに
癌探索法としての細胞診は,PaPanicolaouにより子宮癌患者の腟内容塗抹において癌細胞が確認せられたことに基づいていることからもうかがわれるように,子宮頸癌は細胞診の最もよい対象となる癌の一つであり,また子宮頸癌に対する細胞診は,Screenig testとして種々の利点を有するので,子宮頸癌の探索,とくにその早期発見のための有力な手段として,広く利用されることとなつたのである。しかし本法が欧米諸国,とくに米国における如き普及性をもつためには,CytoechnolgistやCytology laboratoryのような技術者や施設が必要であるが,これらの普遍的な実現がなお困難なわが国の現状においては,婦人科医自身が細胞診を実施しうることが要望される。癌の細胞診については,かなり大部の成書が出版されていることからも明かなように,操作は簡単であるわりに,種々微妙な問題を抱蔵している。与えられた僅かな紙数のうちに全般を尽すことは不可能であるが,最も重大なことは塗抹における癌細胞の認識ということにあるから,それに重点を置き,「日で見る細胞診」という本特集の趣旨に添い度いと思う。
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