特集 「治療を終える」に向き合う
【総論】
「治療を終える」—リカバリーとその体験談
増川 ねてる
pp.1509-1516
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207437
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はじめに
2004年。僕は,30歳で一人暮らし。生活保護を受給しながら,“病い”をよくしようと試行錯誤をしていました。18歳で新潟の実家を出て,12年後の30歳。その時は,千葉県市川市に住んでいました。仕事は数年前に辞めていて,障害年金と生活保護費が収入のすべて。人付き合いはほとんどなくなり,生活保護のケースワーカーさんが家に来るのですが,それが怖くて怖くて,出られません。通院は月に1回で,それは僕が口を開く唯一の機会のようになっていました。
「とにかく病気をよくしたい」
「病気が治れば,僕は社会に戻れる。今はとにかく,病気を治そう」
「自分に合った薬は何か?」「自分に合った薬の組み合わせは何か?」毎日毎日,薬を飲んでその効果を記録し,起きた時間寝た時間,ご飯の時間や,その日したことなどを記録していました。
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