新しい視点をさぐる リプロダクションと母体適応
母体を指向する胎盤—代謝・内分泌学的観点から
東條 伸平
1
,
森川 肇
1
Shimpei Tojo
1
,
Hajime Morikawa
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.569-576
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205874
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妊娠が成立すると母体は,胎児—胎盤という新しい物質代謝の場を子宮内に持つことになり,これが胎児に対する同化資材の供給のために,母体の物質代謝環境やホルモン環境を大きく変化させる。また母体と胎児の物質交換のregulatorとして機能する胎盤は,母体や胎児からのprecursorを用いて多量のホルモンを産生,分泌するので,それらの作用によって妊娠個体がより複雑化することになる。
ここでは,胎盤の内分泌を中心に,妊娠時の母体がどのように修飾されているかについて述べてみたい。
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