疾患の病態と治療 先天性胎児・新生児異常
胎児治療医学の現況と将来
東條 伸平
1
,
森川 肇
1
Simpei Tojo
1
,
Hajime Morikawa
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.773-778
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205482
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子宮内の羊膜腔内に存在するという胎児の解剖学的な位置は,従来より実地臨床医の眼を妊娠合併症や分娩の障害にのみ向けさせ,胎児胎盤機能の診断と治療へのアプローチを拒んできた。
しかし近年,生化学・免疫学・MEなどの技術が発達するにつれて,周産期医学は著しく進歩発展し,とくに妊娠末期ではかなりの率で子宮内胎児の機能的成熟を探知できるようになった。そして,さらに妊娠末期のみならず,妊娠初期から子宮内胎児の病態を早期に診断・治療し,児の発育と生長をはかろうとする,いわゆる胎児治療医学の概念が産科学の一分野として考えられるようになってきた。
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