新しい視点をさぐる リプロダクションと母体適応
母体内分泌の機能
高木 繁夫
1
Shigeo Takagi
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.556-560
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205871
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近年生殖内分泌学の著しい進歩に伴い,妊娠時の母体内分泌は,その機構,態様そのすべてに対する理解がますます複雑化したものとなりつつある。しかもそれらの持つ生物学的意義については必ずしも明らかでない。従来妊娠時の母体内分泌ひいては内分泌環境のあり方については主としてHCG,HPLなどの蛋白系ホルモンとproge—sterone,estrogenその他のステロイドホルモンとの尿中または血中濃度の測定によってその動態を追求したものが多く,いわば間接的にその機能の状態を推測されるにすぎなかった。しかし一般に妊娠時母体の内分泌機能は亢進し,またその亢進の理由の一つとして,
1)妊娠の維持継続 2)妊婦における特異代謝 3)移植免疫学的役割り などがあげられている。
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