症例
男性化腫瘍(androblastoma)の1例—視床下部—下垂体系の内分泌機能を中心として
藤原 卓夫
1
,
柴田 和男
1
,
赤堀 泰一郎
1
,
片山 和明
1
,
森川 肇
1
,
東條 伸平
1
,
岡田 聡
2
,
稲留 哲也
3
,
斎藤 公明
3
Takuo Fujiwara
1
,
Satoshi Okada
2
,
Tetsuya Inatome
3
,
Koumei Saito
3
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
2神戸大学医学部第2病理学教室
3三木市民病院 内科
pp.829-834
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206521
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ホルモン産生腫瘍は全卵巣腫瘍の1%以下であり,しかも大部分は女性化腫瘍で男性化腫瘍は極めてまれである。事実,これまでに世界で報告された男性化腫瘍,androblastoma (arrhenoblastoma)は,250例を数えるにすぎない1)。
男性化腫瘍はSertoliおよびLeydig細胞様の腫瘍細胞からなり,胎生期睾丸組織に類似していることより,病理組織学的にSertoli-Leydig cell tumorとも呼ばれている。臨床的にはアンドロゲン活性が著明なものがほとんどで,脱女性化ないし男性化徴候を特徴とするが,内分泌活性を示さないもの,あるいは女性化徴候を示すものも少数ではあるが報告されている2)。
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