連載 リプロダクション講座・18
胎児の内分泌(2)—成長とホルモン
坂元 正一
1
,
木川 源則
1
,
水野 正彦
1
,
水口 弘司
1
,
佐藤 和雄
1
,
神保 利春
1
,
桑原 慶紀
1
,
森 宏之
1
,
中井 利昭
2
Shoichi Sakamoto
1
,
Toshiaki Nakai
2
1東京大学医学部産科婦人科学教室
2獨協医科大学臨床病理学教室
pp.533-536
発行日 1977年6月10日
Published Date 1977/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205639
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胎児の成長とホルモン
1.成長ホルモンGrewth Hormone
経胎盤的に母体からの移行はないとされているgrowth hormoneの臍帯血中の濃度は母体血より著しく高く1),しかも臍帯動脈血の値は臍帯静脈血の値よりもさらに高い2)ことが近年になってみいだされ,胎児下垂体はきわめて積極的にGHを分泌していると考えられるようになった。
Matsuzaki3,4)によると,下垂体GHは胎齢7週より測定可能で,8週には5.8mμg,5カ月では4,000mμgに達し,血中濃度も16週では120mμg/mlというし,Kaplan5)も妊娠10週頃の胎児血中GH濃度は成人のacromegaly患者のそれに匹敵するといっている。
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