連載 リプロダクション講座・19
胎児の内分泌(3)—間脳・下垂体・甲状腺系
坂元 正一
1
,
木川 源則
1
,
水野 正彦
1
,
水口 弘司
1
,
佐藤 和雄
1
,
神保 利春
1
,
桑原 慶紀
1
,
森 宏之
1
,
中井 利昭
2
Shoichi Sakamoto
1
,
Toshiaki Nakai
2
1東京大学医学部産科婦人科学教室
2獨協医科大学臨床病理学教室
pp.818-823
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205682
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Ⅰ.胎児甲状腺系の特徴
胎児甲状腺系は胎児期すでに精神神経系の分化発育に関与するだけでなく,TSHが生後15〜30分をピークとする急増を示し,T3も30分で2倍に達するわれわれの成績は,胎外環境への内分泌的適応現象の一翼を担っているに違いないことを物語るものである1)。しかし,生理学的意味づけは十分に判っているわけではないのでまず特徴的な知見を最初にあげて理解の足しにしたい。
1)胎生期における中枢神経系の分化,発育に関与する。
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