疾患の病態と治療 産婦人科疾患の免疫学的アプローチ
産婦人科疾患の免疫学的アプローチの現況
竹内 正七
1
Shoshichi Takeuchi
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.273-275
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205399
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近時,頓に,われわれの領域においても,免疫学的アプローチが,内外を通じて活発になつてきたように思う。
産婦人科領域における疾患の特徴は,癌や感染症などのように,個体の生命を脅かす疾患の他に,種族保存のためのreproductionをめぐる病態が含まれていることである。免疫的アプローチとして,前者に関しては婦人のみを対象としている点での特異性,すなわち性差によるそれはあるが,他科のそれと本質的には異なつているものではない。しかし,reproductionに関しては,臨床医学の領域では現段階として,われわれの領域からのアプローチがあるに過ぎない。欧米においては基礎医学者の関心も高く種々の研究が報告されているのは羨しい限りである。対象としては,疾患の病因,診断および治療などへの応用的アプローチがあるほかに,ホルモン,酵素,その他の中間代謝産物などの免疫的測定法としての応用も,活発に行なわれてきており,また,めざましい成功を収めてきている。
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