特集 扁桃—今日の臨床指針
II.扁桃炎の基礎
免疫学的にみた扁桃研究の現況
田端 敏秀
1
1和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.771-781
発行日 1985年10月20日
Published Date 1985/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210025
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
扁桃は上気道に位置し,ワルダイエルリンパ環を形成し,生体の防御器官の一つであることはすでに1860年頃Virchowによって提唱されている。免疫説を初めて発表したのはHellmanである(野坂1))。その後多くの発生学的形態学的研究が積み重ねられたが,扁桃の免疫機能が大きく体系づけられたのは1960〜1970にかけて飛躍的に発展した免疫学的理論と手技によるところが大である。
本稿では口蓋扁桃を中心に最近の業績を紹介しながら今後の研究課題を基礎および臨床面から論じてみたいと考える。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.