今月の主題 大腸疾患診療の新時代
大腸疾患診療:現在から近未来まで
大腸疾患への免疫学的アプローチ
日比 紀文
1
,
原 歩
1
,
金井 隆典
1
,
林 篤
1
,
細田 泰雄
1
,
大原 信
1
,
土屋 雅春
1
1慶應義塾大学医学部・消化器内科
pp.1582-1584
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901055
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潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)の免疫学的側面とその免疫療法について概説した.UCでは,リンパ球機能異常に基づく自己免疫機序や即時型アレルギーの関与などがみられる.一方CDでは,単球,マクロファージ異常と免疫能低下が中心である.
病因病態に免疫機序の関与する大腸疾患は数多くあるが,本稿では潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)にポイントをしぼって述べる.UCとCDは臨床像,X線像,内視鏡像および組織像の違いが明らかにされて来るとともに,その免疫学的異常の相違も次第に明らかにされてきた.まず両者の免疫学的な知見を解説し,次に免疫異常是正の認識に立った免疫統御療法について述べる.
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