小特集 産科感染症について
妊婦梅毒の診断
鈴木 正彦
1
,
北条 泰輔
1
,
川田 則子
1
,
後藤 林八
1
,
阿部 穣
1
,
本多 啓
1
,
藤井 久四郎
1
Masahiko Suzuki
1
1杏林大学医学部産科婦人科学教室
pp.617-623
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205217
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梅毒が妊婦ならびに児に与える影響の重大なことはいまさら述べるまでもない。最近の行動様式の変化,性のモラルに対する考え方の変化のためか,また戦後性病が流行し,ペニシリン療法が開始された頃に生れた人たちが生殖年代となつているためか最近は梅毒が漸増しているともいわれている。さらにそれらの人部分は自覚的にも外診においても症状のない不識梅毒である。しかしまた顕性梅毒も散見されるに至つている。
妊婦の血清梅毒反応が陽性に出た場合に果して梅毒であるか否かの問題,すなわち非特異性の問題については現在なお解決されてはいない。また種々の検査法の普及に伴つてその解釈の仕方が一層複雑になつた感がある。そこで今回妊婦梅毒の診断について再検討することはきわめて意義のあることであると思う。
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