特集 妊娠時の生理--その適応と異常
Ⅲ.適応異常とその周辺疾患
妊婦貧血
鈴木 正彦
1
,
北条 泰輔
1
,
阿部 穣
1
,
笹川 重男
2,3
Masahiko Suzuki
1
,
Shigeo Sasagawa
2,3
1杏林大学医学部産科婦人科学教室
2県立がんセンター新潟病院産婦人科
3前:杏林大学
pp.1007-1013
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205721
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Ⅰ.語句の解釈と頻度
妊婦貧血という語をもし妊婦の貧血と解釈すれば英文ではanemia in pregnancyかanemia du—ring pregnancyということになる。因みに代表的教科書Williams Obstetrics1)ならびにGreenhill—FriedmanのObstetrics2)にその分類をみると表1,2のようである。また別の観点から妊娠中に見られる主要貧血を列記すると表3のようになる。
妊娠中最も多く遭遇する貧血は鉄欠乏性貧血といわれている。ついでわが国では頻度はずっと少なくなるが巨赤芽球性貧血,再生不良性貧血などである。
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