講座
妊婦の梅毒
中島 精
1
1慶大医學部産婦人科
pp.14-17
発行日 1953年7月10日
Published Date 1953/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200544
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
姙婦梅毒は減つている
終戰後性病は著しい増加をきたして,識者を憂慮せしめたが,パンパン狩りを始め,業態婦の健康診断がやかましく云われて来たために,さしもの性病も非常に減少したようである.東京一流のパンパンでも,終戰後は50-70%のワ氏反応陽性がおつたと云われていたが,今日では非常に少くなつて来ている.
東京都に程近い所の業熊婦にても一時,50%以上若陽性であつたものが今日では20%前後になつている.かように性病の傳播者である所のものが,非常に少くなつたのにつれて,一般家庭婦人における性病も非常に減少してきている.淋疾も,梅毒も同じである.從つて姙婦における梅毒も非常に少くなつていて,今日では一時の3%より1%前後になりつつある,誠に喜ばしい事である.
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.