特集 感染症の今日的問題
妊婦梅毒の診断と治療
楠本 雅彦
1
Masahiko Kusumoto
1
1東京逓信病院産婦人科
pp.691-695
発行日 1972年8月10日
Published Date 1972/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204656
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はじめに
最近数年間,とくにTreponema Pallidumを抗原に用いる梅毒検査法と抗生物質を中心とした治療法の発達により,梅毒の正しい診断と治療が行なわれるようになつてきている。
まず検査法では,これまで脂質抗原を用いたSerologic Test for Syphilisのみでは正確に梅毒とはいえないのが当然であり,妊婦にはBiologicalFalse Positive reactionがかなりの頻度に存在するので,かならずTreponema Pallidumを抗原とする検査を行なつて確認しなければならない。またTreponema Pallidumによる検査法のみからは治療効果を推定することは現在までのところまだ不可能と考えられる。
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