薬の臨床
Intacellin注使用による切迫流産の治療効果
岩崎 寛和
1
,
吉田 泰男
1
,
井上 好雄
1
,
富岡 惟中
1
,
西川 友康
1
,
佐藤 啓治
1
,
田口 資朗
1
Hirokazu Iwasaki
1
1横浜市立大学医学部産婦人科教室
pp.433-435
発行日 1969年5月10日
Published Date 1969/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204041
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はじめに
流産の原因は多岐にわたるので,その治療薬剤はそれぞれの原因に即したものが選ばれなければならないが,妊娠初期の切迫流産では通常その原因は明らかではなく,卵巣黄体の機能不全に対する治療として,黄体ホルモン剤の投与が主流を占めて今日に至つている。
一方,絨毛ならびに胎盤は,妊娠中卵巣に代わつて強力なhormone産生を営み,自ら妊娠の維持をはかつていると考えられており,かかる胎盤からの抽出物はHCG,progesterone, estrogenなどのhormoneの他にも,未知の妊娠維持に有効な物質の存在も推定され,それらの物質は絨毛ないし胎盤の機能不全に起因した切迫流産に対して有効ではなかろうかとの推定もされるわけてある。
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