薬の臨床
老人性腟炎に対するPPC-Eの使用経験
小川 次男
1
,
秦 喜八郎
1
,
上笹貫 修
1
Tsugio Ogawa
1
1県立宮崎病院産婦人科
pp.437-439
発行日 1969年5月10日
Published Date 1969/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204042
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
老人性腟炎は,その主訴としてみられる血性,膿性の帯下や,発症の時期から,腟癌,頸癌,体癌などの悪性腫瘍と区別を要する場合があり,また,小児腟炎とともにestrogen療法が特異的に有効であることなどから,興味をもたれる疾患である。さらに,わが国における近年の出生率の低下,平均寿命の延長傾向による年々の高令者層の増加にともない,今後ますます診療の機会が増すものと考えられる。他方,臨床酵素学の最近の著しい発達により,当科領域においても,特に蛋白分解酵素剤の抗炎症作用を中心として,多方面への応用が展開されてきている。
私どもも,今回,蛋白分解酵素pronaseを主剤とし,pancreatine, estriolおよび殺菌剤を含有するカプセル型腟坐薬PPC-Eを老人性腟炎に使用し,その有用性を認めたので報告する。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.