薬の臨床
習慣性流産および切迫流産に対するHCGモチダ3000の使用治験について
篠原 惟明
1
,
徳井 宏
1
,
水谷 重康
1
Koreaki Shinohara
1
1関西労災病院産婦人科
pp.697-700
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204868
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妊婦クリニックで日常全妊娠の約10%前後の頻度で遭遇する流産患者をいかに対処するかは,その原因が母体側,胎児側と多種にわたるためすこぶる困難なことである。器質的原因を除外し機能的原因を取上げた場合,内分泌機能障害によるとの想定のもとに妊娠初期の内分泌機能の調整,補充,賦活化を目的とするホルモン療法が主体をなしている。現在行なわれているホルモン療法のうち最も繁用されているのは黄体ホルモン療法であり,従来の補充的単一療法では不十分かつ満足な効果が得られないともいわれており,妊娠初期のステロイドホルモン生合成を賦活化すると考えられる絨毛性ゴナドトロピン療法は当を得たものと考える。今回われわれは持田製薬K.K.よりHCGモチダ3000の提供をうけ,前述の観点より習慣性流産,切迫流産に対するHCGの効果を検討しいささかの知見をえたのでここに報告する。
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