特集 婦人科造影の臨床
骨盤動脈撮影—絨毛性腫瘍を中心として
川島 吉良
1
,
中島 貞利
1
,
伊藤 巌
1
,
可世木 成明
1
,
佐久間 貞行
2
Yoshira Kawashima
1
,
Sadayuki Sakuma
2
1名古屋大学医学部産婦人科学教室
2名古屋大学医学部放射線医学教室
pp.1049-1057
発行日 1968年12月10日
Published Date 1968/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203971
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はじめに
産婦人科領域における血管造影はDos Santos(1931),Coutts (1935)らの報告に始まり,その後Seldinger (1953)氏法の普及に伴い,骨盤内腫瘍のみならず胎盤の附着部位,子宮胎盤循環,子宮外妊娠に関する諸家の報告がある。
なかでも絨毛性腫瘍のごとき血行に富むものの診断には価値が認められている。Borell (1955)一派は絨毛性腫瘍(以下絨腫瘍と略す)に特有な血管像を指摘し胞状奇胎(以下胞奇と略す)と破壊性奇胎(以下破奇と略す)・絨毛上皮腫(以下絨腫と略す)とを鑑別し得ると述べた。本邦においては相馬ら(1959)は絨腫瘍全体としての血管像について着目した。
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