日常診療メモ・XVIII
尿管損傷(瘻)の診療について(その2)
清水 直太郎
1
Naotaro Shimizu
1
1九州大学温研産婦人科
pp.515-520
発行日 1964年7月10日
Published Date 1964/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203078
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尿管吻合術Uretero-ureterale Anastomose
これは膀胱から離れた部位で尿管を離断したときに主として行うもので,尿管の両端を緊張なく相接合させることができるときに成功する。したがつて尿管瘻に行うことは少い。腹膜外で行うこともできるが経腹膜的に行う方が容易である。ことに陳旧のものを手術するときは,尿管が腹膜ないし骨盤壁に瘢痕性に固く癒着していて,剥離が困難であるから,経腹膜的に行うべきである。
van Hook法:尿管の膀胱側端(下端)を結紮し,その約1 cm下方に小さい縦切を入れて孔をつくり,そこに腎側端(上端)を引きこむ。上端は少し縦に切開を入れ,相対する2ヵ所に通じた糸を第4図のごとく下端切開孔の内面から外面に通じて結び,さらに吻合部の尿管壁を浅く縫合する。
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