日常診療メモ・XV
膀胱損傷(瘻)の診療について(その1)
清水 直太郎
1
Naotaro Shimizu
1
1九州大学温研産婦人科
pp.49-54
発行日 1964年1月10日
Published Date 1964/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202962
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膀胱は,女性性器に接しているため産婦人科診療において膀胱損傷〜膀胱瘻が生ずることはまれでない。
その場合,もつとも多い主訴は,尿が膣から漏れることである。これが,膀胱損傷(膀胱膣瘻,膀胱頚管瘻〜膀胱頚管膣瘻)によるものであつて,尿管損傷(尿管膣瘻),尿道損傷(尿道膣瘻)によるものでないことを知るには, (1)まず円柱状の綿塊をガーゼに包んで緩やかに膣腔全長にわたつて挿入しておき,インジゴカルミン(0.4%)液の10倍稀釈液100ccを膀胱にカテーテルで注入する。これで綿塊が青く着色すれば,膀胱損傷のあることが判る。また,綿塊のどの部分が,特に着色するかによって瘻孔部位も大体判断出来ることが多い。
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