連載 MY THERAPY in series・10
開腹術患者の術後回復に蛋白同化ステロイド
佐々木 寿男
1
1埼玉中央病院
pp.407
発行日 1963年5月10日
Published Date 1963/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202813
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生体は外科的侵襲を受けると,蛋白代謝ことにその異化作用が著明に亢進し,一般に術後数日間の窒素の負平衡状態が不可避となる。臨床的には全身脱力感,食思不振,体重減少などの諸症状を示すが,適正な適応のもとに確実な手技により実施された開腹術患者においては,これらの病態は漸次回復過程へ入り,順調な経過を示すことが本来の姿であつて,これはわれわれが日常つねに経験しているところである。しかしこうした術後の数日間に,特に質の優れた蛋白同化ステロイドを投与すると,術後経過を更に改善促進することができるのである。
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