講座 手術と適応
4.卵管形成術
真田 幸一
1
1三楽病院産婦人科
pp.408-409
発行日 1963年5月10日
Published Date 1963/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202814
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卵管形成術の適応・手術前の検査
不妊症の手術的療法としては,筋腫核出術や子宮頚管形成術などが挙げられるが,ここで述べるのは,主として卵管疏通性障害の対策,すなわち卵管形成術の適応についてである。
周知の如く,卵管形成術は卵管閉塞症に対する治療対策の,文字どおり最後の手段であつて,手術を行なうに先立って卵管以外の不妊因子,例えば無精子症,精子減少症などの男性不妊や排卵障害,子宮内膜の機能障害,あるいは頚管粘液の異常など,他の女性側不妊因子を,ことごとく除外できるのを確かめるのはもちろん,卵管閉塞症のみが唯一の不妊要因であることが確かめられた症例においても,手術に先立って一定期間の非観血的療法,例えば通気法や通水法などを根気よく繰返すことが必要である。
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