Japanese
English
短報
蛋白同化ステロイド剤乱用による精神病の1例
A Case of Anabolic Steroid-induced Psychosis
井上 幸代
1
,
宇田川 雅彦
1
,
中谷 陽二
2
,
高橋 和巳
1
,
風祭 元
1
Yukiyo INOUE
1
,
Masahiko UDAGAWA
1
,
Yoji NAKATANI
2
,
Kazumi TAKAHASHI
1
,
Hajime KAZAMATSURI
1
1東京都立松沢病院
2東京都精神医学総合研究所
1Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
2Tokyo Institute of Psychiatry
キーワード:
Anabolic steroids
,
Androgens
,
Psychosis
,
Drug abuse
Keyword:
Anabolic steroids
,
Androgens
,
Psychosis
,
Drug abuse
pp.760-762
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904138
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
蛋白同化ステロイド剤(anabolic steroids;以下AS)は,様々な原因による消耗状態,再生不良性貧血,下垂体性小人症などの治療のため使用されるほか,最近ではスポーツ競技において,いわゆるドーピングの目的で使用されることで知られている。米国においては,ドーピングの目的だけでなく,体格を変えるという美容の目的の乱用が一般の青少年にまで広がり4),依存性や副作用が問題となるほか,ASによって誘発されたと考えられる精神障害による暴力犯罪が注目され始めている。ASの乱用による精神障害の報告は,我が国においては,筆者らの知るかぎりまだ見当たらないが,今後乱用が広がることが懸念される。今回我々は,他の薬物とともにASを乱用し,精神病を来した例を経験したので報告する。
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.