速報
正常分娩各期及産褥各日に於ける流血中好酸球等の変動
小野 修二
1
1東邦大学医学部産婦人科学教室
pp.175-177,182
発行日 1954年3月10日
Published Date 1954/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201008
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I.緒言
生体にStressが加つた場合組織の副腎皮質ホルモンの消費は高まり血液性状,網内原機能等の変化,その他各方面に於ける代謝の変動が現われる。之はStressに対して個体の抵抗が示されたためとなし,これら一連の過程をSelye1)はGe-neral Adaptation Syndromeと呼んでいることは衆知のところである。所謂Stressのなかには酸素欠乏,冷却,火傷,手術操作,出血,細菌感染,毒素吸入,知覚神経の刺戟等が含まれているが更に広義にStressを解釈して妊娠,分娩,産褥乃至は排卵現象もこのなかに含まれるものとも老えられないこともない。(赤須4)而してACTH (Stress)によつて放出せられたCorticoidsの動向を知る上には生化学的或は組織学的の各種検査法があり就中血中或は尿中Corti oids尿中17—Ketosteroids等は重要視せられているが,流血中好酸球数の変動も議論はあるが一応の価値は認められている。即ち手術前後に関してThornはThird day eosinophiliaと称し術後減少せる好酸球は3日後に完全に恢復増数するとし,又Davisa.Hulit2),Gablilove3)渋沢氏等5),小林,小西氏等6)(当教室)等も同様の報告を行つている。
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