発行日 1948年5月15日
Published Date 1948/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906326
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分娩とは受胎産物(即ち胎児及其の附屬物)が子宮から腟を通り外界に押し出される現象を云ふ。然も分娩が妊娠末期(分娩豫定日の前後週間以内)に自然娩出力により自然(産道)から行はれ母兒兩者に何等の障碍をも起さない場合に之を正常分娩と呼ぶ從つて帝王切開術によるような他の通路よりの分娩は正常分娩とは云はれない單に正常分娩でないものを總て異常分娩と呼ぶが正常分娩と異常分娩との境界は明確ではなく個々の例に就き之に異常の部に入れるか或は正常の部に入れるかは産科醫の主觀によることが頗る多い。例へば妊娠嘔吐,骨盤位分娩顔面位分娩(アメリカ文獻による)等は或一部の人により正常,他の一部の人により異常と目されてゐる樣なものである.因に始めて妊娠ある婦人に初妊婦,分娩中の婦人を産婦,域は臨産婦,1囘分娩せる婦人を初産婦,(第1囘經産婦)2囘ないしそれ以後分娩せる婦人を經産婦と呼ぶ。
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