境界領域 精神科から
精神科からみた産婦人科
懸田 克躬
1,2
,
石崎 孝夫
2
1順天堂醫科大學
2順天堂醫科大學神經病學教室
pp.271-273
発行日 1951年7月10日
Published Date 1951/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200508
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Ⅰ 問題はどこにあるか
1.課題の意圖 日常の診察のあいだで,産婦人科の領域と精神神經科の領域とが,どのような交渉をもつかを明らかにすることが,おそらくは,われわれに與えられたテーマの意圖であろう。
この2つの專門領域の交渉は,いろいろの意味で考えられるが,特に實地醫家を考えた場合に,われわれの問題は,1つには,産婦人科の診察の對象となる,生理的,または病理的現象に伴なつてみられる,精神神經科領域の障害の問題であり,2つには,その苦痛の現われ方が産婦人科疾患を思わせるために,産婦人科を訪れるが,實は,精神神經科領域の疾患であるものがないかの問題であろう。また,われわれ精神神經科の醫師としての側からは,1および2に關連するが,神經科を訪れやすいが,實は産婦人科でとりあつかうべきであるものを,われわれがみ逃していわしないかの問題がある。もちろん,こゝには,このすべてをつくすことはできないので1,2の問題を考察するにとどめなければならぬ。
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