今月の臨床 更年期障害
更年期とは
5.心療産婦人科からみた更年期障害
堀口 文
1
Fumi Horiguchi
1
1メルボルン大学医学部地域医療学教室婦人健康センター
pp.520-522
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900404
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
更年期婦人が訴える身体的,精神的症状は加齢や閉経に伴う内分泌の変動によって生ずるものとされ,その他の因子については余り注目されてこなかった。しかし最近の一般婦人や去勢婦人を対象とした研究から更年期に症状を訴えて来院した患者の症状は必ずしも加齢や閉経によるものではないことが明らかになった。1972年Utian1)は外科的閉経婦人の臨床像から閉経に起因する症状はのぼせや萎縮性腔炎のみで,うつ,イライラ,不眠および動悸などは心理的理由によるものであろうと推察した。1981年WHOからも同様な見解が発表されその対応には更年期の生物学的変動を基盤にした心理,社会的要因を含む心身医学的配慮が必要とされている。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.