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男子不妊の診斷補遺
松本 寬
1
1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
pp.122-124
発行日 1948年6月1日
Published Date 1948/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200120
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1 緒言
最近迄特に日本に於ける男子不妊の診斷が多少ないがしろにされる傾向が強かつた。即ち女子不妊原因の探究にのみ之努め男子に對してはただ精液をコンドム性交でとりこれを絲でしばり綿にくるんでマツチ箱に入れ帶の間に挾んで體温に温めて性交後可及的早く持つて來させ、その中からピペツトで吸ひ上げスライドグラスの上に一滴落して之を檢鏡し1視野に見える數及び其運動性を見る丈であつた。其の後精子を染色して其形態を調査する方法も發表せられたが余りにも學究的で實地に應用し難い缺點があつた。所が私が約1年程前から受胎調節の研究に手をつけ精液に關するアメリカの文献を讀んで行く中に種々の新しい點を見出したので茲に之を發表する次第である。
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