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無浮腫無蛋白尿性子癇
八木 辰太
1
1國立川棚病院産婦人科
pp.125-127
発行日 1948年6月1日
Published Date 1948/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200121
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緒言
子癇とは妊娠、分娩或は産褥時に短時間の間歇を以て反復する失神を伴う全身筋肉の間代性痙攣を謂ふのであつて、Zangemeisterは浮腫、蛋白尿及血壓亢進を本症の三大症候群となし、Schlo—ssmann,Schwarz,Günster,其他等も亦子癇及び其前驅症に必發の徴候であると述べてゐる。然し是等三大症候群中非常に稀ではあるが其1つ或は2つ以上を缺如することがあり得ると言ふ事も亦一般に認められてゐる。
抑々子癇の頻度は報告者により區々であるが大約400乃至500囘の分娩に就て1例を見るものであつて、決して多いものでないが、本症の3大症候群中其一つ或は二つ以上を缺如する樣な場合は更に僅少となるわけで、既往文獻にも極めて少數を求め得る程度である。
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