特集 不妊症の治療--最近の焦点
男子不妊症の治療
駒瀬 元治
1
,
根岸 壮治
1
Motoharu Komase
1
1東京医科歯科大学泌尿器科学教室
pp.123-129
発行日 1972年2月10日
Published Date 1972/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204559
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はじめに
男子としての二次性徴は一応正常であり,いわゆる男らしさ(maleness)にとくにかけたところがなく,正常の性交行為を行ないうるにもかかわらず,妊孕性のない場合にこれを男子不妊症とよんでいる。したがつて類宦官症,Klinefelter症候群,勃起不能症,早漏などは男子不妊症からは除外されている。
従来,不妊症では女性についてその原因が検討されることが多かつたが,近年は泌尿器科の進歩に伴い,不妊の研究が男子についても広く行なわれるようになつた。その結果,不妊夫婦の約40〜70%は,男子側にその原因があることがあきらかにされ,男子不妊症についての研究が次第に重要視されるようになつてきた。
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