年間テーマ--診断から治療へ 妊娠成立の異常
男子不妊症の原因
熊本 悦明
1
,
寺田 雅生
1
Yoshiaki Kumamoto
1
,
Masao Terada
1
1札幌医科大学泌尿器科学教室
pp.381-387
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205182
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
一般的常識として,不妊の原因はもつぱら女性側のみに責任があるようにされてきた。したがつて,不妊症の研究は,産婦人科の分野において早くから行われており,それに関する多くの業績がみられる。しかし,妊娠が成立するには男女両性の性機能が正常であることが必要であり,男女どちらか一方に性機能障害があれば,妊娠が成立しないことは当然で,もつぱら不妊の原因を女性側のみに求めることは当を得ない。
これらのことから,近年,泌尿器科領域においても,男性側の不妊因子を検索するようになり,それとともに不妊を主訴として外来を受診する男子患者も,年々増加しているといわれ1,2,3),教室における過去11年間の年度別の男子不妊主訴患者も表1に示すように同様に増加の傾向がみられる。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.