増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
内分泌疾患
男子不妊症
渡辺 政信
1
1昭和大学医学部泌尿器科
pp.186-187
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900900
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男子不妊症治療の現況
男子不妊症の診断面では精子機能検査,精索静脈瘤の超音波カラードップラー法など新しい技術の開発がなされてきているが,治療面では満足すべき成果が得られていない。しかし泌尿器科外来における男子不妊症の割合は増加する傾向があり,日常診療の中で対応していく必要性が高まっており,閉塞性無精子症に対する外科的治療や,さらに体外受精を組み入れた治療により妊娠不可能とされていた症例にも妊娠例が報告され,治療の進歩が期待されている。その中で,男子不妊症の多くを占める特発性造精機能障害の治療が重要であるにもかかわらず,確立された治療法がないのが現状である。造精機能障害の原因追及による合目的な薬物療法が望まれており,精巣組織の基礎的検討から考えられたα-blockerとβ-stimulantの併用療法やmastcell blockerであるケトチフェンなどが試みられている。
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