増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
IV 腫瘍
卵巣がんの再発例への化学療法―プラチナ抵抗性
西野 幸治
1
,
榎本 隆之
2
1新潟大学医歯学総合病院産科婦人科
2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻遺伝子制御講座生殖器官制御分野(産科婦人科)
pp.201-203
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103713
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適応と治療方針
再発卵巣がんに対する治療方針の決定については,platinum free interval(PFI)を考慮して化学療法レジメンの選択を行うことが一般的である.PFIが6か月未満のものを「プラチナ抵抗性再発(platinum resistant recurrence : PRR)」と呼び,プラチナ感受性再発(PSR)とは異なり初回治療と同様のタキサン・プラチナ療法の効果は期待できず,初回治療と交叉耐性のない単剤治療が原則となる.
前項でも述べた通り,再発卵巣がんの治療目標は「Cure」ではなく「Care」や「延命」であるが,PSRに比べPRR症例における治療の奏効率は低く,その予後はさらに厳しい.よってこの群に対する治療においては,「延命」を図るなかでより「Care」や「QOLの維持」といった側面の重要性が増してくることを念頭に置いて,かつ治療の限界についても患者と共有しながら管理を行っていく必要がある.
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