今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス
新しい病態を探る
5.ゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群
宮川 勇生
1
,
河野 康志
1
,
栖原 久司
1
1大分医科大学産婦人科
pp.1485-1487
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902322
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性成熟期女性では,視床下部・下垂体・卵巣系の巧妙な内分泌調節によって卵胞が発育し,排卵が生じる.閉経後になると卵胞の発育は見られなくなり,estrogen, inhibin分泌が低下し,gonadotropin(Gn)分泌が増加する.このような閉経後と同じ内分泌環境,すなわちhyper—gonadotropic hypogonadismの病態は卵胞の存在,排卵誘発の可能性を否定するものと考えられてきた.
ところが,1967年Moraes-Ruehsen & Jones1)は同じ病態にありながら原始卵胞が存在し排卵誘発可能な症例を見いだし“the resistant ovarysyndrome”と呼称して紹介し,さらに,1969年には3症例を追加報告した.その後同様な病態に対して,van Campenhoutら(1972)やKoninckxら(1977)は“gonadotropin-resistant ovarysnydrome”,Shangoldら(1977)2)は“insensitiveovary syndrome”などの診断名を用いて報告している.
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