症例
卵巣原発の大細胞神経内分泌癌の1例
秦 さおり
1
,
竹内 康人
1
,
小菊 愛
1
,
伊藤 崇博
1
,
奥杉 ひとみ
1
,
近田 恵里
1
,
佐原 裕美子
1
,
川北 かおり
1
,
片山 和明
1
,
石原 美佐
2
,
橋本 公夫
2
1西神戸医療センター産婦人科
2西神戸医療センター病理科
pp.866-870
発行日 2013年8月10日
Published Date 2013/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103474
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要旨
症例は68歳.受診3か月前より腹部違和感を自覚し,1か月前に近医を受診したところ,左卵巣腫瘍を指摘され,精査加療を目的に当科紹介となった.画像所見からは,左卵巣の充実性腫瘍を認め,左卵巣癌の疑いで試験開腹術を施行した.左卵巣は鵞卵大に腫大し,周囲組織と強固に癒着していた.術後の病理組織診断において,腫瘍は中型から大型の異型の強い細胞からなり,核分裂像も多数認められた.免疫組織染色において神経内分泌マーカーであるsynaptophysin,chromogranin A,CD56,NSEなどが陽性であったため,左卵巣原発の大細胞神経内分泌癌(large cell neuroendocrine carcinoma : LCNEC),stageIIcと診断した.術後補助化学療法としてdose dense TC(パクリタキセル+カルボプラチン)療法6クール施行した.術後12か月を経過し,再発を認めていない.
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