診療
当院における精神神経疾患合併妊娠の周産期予後 向精神薬内服群と非内服群の比較検討
山下 暢子
1
,
佐原 裕美子
,
大谷 恭平
,
登村 信之
,
酒井 理恵
,
奥杉 ひとみ
,
川北 かおり
,
竹内 康人
,
近田 恵里
1西神戸医療センター 産婦人科
キーワード:
向精神剤
,
精神障害
,
帝王切開術
,
てんかん
,
経口投与
,
妊娠合併症
,
吸引分娩術
,
母乳栄養
,
パニック症
,
後向き研究
,
治療成績
,
妊娠転帰
,
気分障害
,
緊急手術
,
分娩所要時間
Keyword:
Administration, Oral
,
Mental Disorders
,
Breast Feeding
,
Cesarean Section
,
Epilepsy
,
Psychotropic Drugs
,
Pregnancy Complications
,
Pregnancy Outcome
,
Retrospective Studies
,
Vacuum Extraction, Obstetrical
,
Panic Disorder
,
Treatment Outcome
,
Mood Disorders
pp.325-331
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016193032
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精神神経疾患合併妊娠は増加傾向にあるが、薬剤の内服による妊娠・分娩に対する影響については不明な点も多い。そこで今回、内服の有無と周産期予後の関連について検討した。方法は著者らの施設で分娩した精神神経疾患合併妊娠107症例を内服群57例、非内服群50例に分けて後方視的に調べた。その結果、1)精神疾患で最も多く認めたのは神経症性障害(内服群:27例・40.2%、非内服群:19例・35.8%)で、うちパニック障害が過半数(内服群:17例、非内服群:12例)を占めていた。続いて内服群ではてんかんが17例(25.3%)、気分障害が12例で、非内服群では気分障害が12例(22.2%)、てんかんが10例(18.5%)であった。2)分娩方法では内服群で帝王切開率が有意に高く(内服群:38.6%、非内服群:20.0%)、うち緊急帝王切開率(内服群:21.1%、非内服群:4.0%)も有意に高かった。一方、経腟分娩では吸引分娩を内服群にのみ4例に認められた。また、初産の内服群では分娩所要時間が有意に長かったほか、Apgarスコア1分値が7点以下の例が内服群で有意に多く認められた。3)1ヵ月健診時での哺乳方法では内服群の完全母乳率は33.9%で、非内服群の53.1%より有意に少なかったが、人工乳のみの哺乳では両群間に有意差は認められなかった。
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