今月の臨床 出生前診断の新しいトレンド
出生前診断の方法と意義
9.着床前診断
末岡 浩
1
,
吉村 𣳾典
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1126-1133
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103199
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●出生前診断と着床前診断 : 広い意味で着床前診断は出生前診断の方法の1つとの考え方もあるが,一般的には妊娠してから検査するものを出生前診断,胚移植前(妊娠成立前)の初期胚から検査するものを着床前診断と区別している.
●PGDとPGS : 広義のPGDは体外受精卵に対する診断すべてを示すが,そのなかで遺伝子・染色体の変異保因者に対して行うものは狭義のPGD,保因者でないものの発生を調べるスクリーニング目的で行われるものはPGSと区別している.
●極体と胚細胞の有する情報 : PGDの生検対象となる極体は,女性由来の卵子のみの情報を反映し,胚細胞は卵子・精子両方の情報を反映する.
●今後の遺伝子診断と染色体診断 : これまで,PGDにおける遺伝情報の診断は,遺伝子と染色体で異なる方法で行われてきた.しかし,今後はともに遺伝子レベルでの診断方法に共有化されつつある.
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